モノグルタミン酸葉酸とは?

厚生労働省が勧める400μgのモノグルタミン酸葉酸とは?

厚生労働省

 

厚生労働省では、妊娠を希望する女性及び妊娠初期の女性に、400μgのモノグルタミン酸葉酸を推奨しています。

 

しかし、厚労省の「通知」はやたら長くてしかもわかりにくい文章の羅列で、はっきり言ってチンプンカンプンになると思います。

 

そこで当記事では、この通知をできるだけわかりやすく説明していきます。

 

けっこう大事なことが書いてある通知ですので、妊活中の方はしっかり理解しておきましょう。

 

目次

  1. ポリグルタミン酸葉酸とモノグルタミン酸葉酸
    1. ポリグルタミン酸葉酸とは
    2. モノグルタミン酸葉酸とは
    3. 体内の利用効率の違い
  2. 厚生労働省の通知での表記について
    1. 食事性葉酸と栄養補助食品に関する記述
    2. 厚労省が妊娠初期に推奨するのはモノグルタミン酸葉酸
    3. 食品からの葉酸とサプリメントでの葉酸を両方摂取する
  3. まとめ

 

ポリグルタミン酸葉酸とモノグルタミン酸葉酸

葉酸には2種類の葉酸があります。

 

一つはポリグルタミン酸葉酸(プテロイルポリグルタミン酸葉酸、Folate)、もう一つはモノグルタミン酸葉酸(プテロイルモノグルタミン酸葉酸、Folic acid)といいます。

 

この違いは何なのでしょうか?

 

ポリグルタミン酸葉酸とは

ポリグルタミン酸葉酸は、食品中に存在する葉酸で、複数のグルタミン酸が結合したものです。

 

このポリグルタミン酸型の葉酸は、消化管の酵素によって分解され、モノグルタミン酸型の葉酸となります。

 

モノグルタミン酸葉酸とは

モノグルタミン酸葉酸は、化学合成された葉酸で、グルタミン酸が一つ結合した形をしています。

 

このモノグルタミン酸葉酸は、小腸の上皮細胞から体内に吸収されます。

 

体内の利用効率の違い

2種類の葉酸の大きな違いは、体内への利用効率です。

 

2種類の葉酸の利用効率の違い

  • ポリグルタミン酸葉酸⇒50%以下
  • モノグルタミン酸葉酸⇒約85%

 

ポリグルタミン酸葉酸は、モノグルタミン酸葉酸への代謝過程でいろいろな影響を受けるため、生体への吸収率は50%以下と推定されています(【参考】厚生労働省 e-ヘルスネット 「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」)。

 

いっぽうモノグルタミン酸葉酸は最初から吸収されやすい形になっているので、全体の約85%が吸収されるとされています(【参考】葉酸普及研究会 葉酸Q&A)。

 

厚生労働省の通知での表記について

2種類の葉酸の違いを把握していただいたところで、下記の厚生労働省から出された通知「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について[PDF]」の抜粋を見ていただきたいです。

 

食事性葉酸と栄養補助食品に関する記述

まずはこちらです。

 

なお、野菜を350g程度摂取するなど、各食品について適正な摂取量を確保すれば、1日0.4mgの葉酸の摂取が可能であるが、現状では食事由来の葉酸の利用効率が確定していないことや各個人の食生活によっては0.4mgの葉酸摂取が困難な場合もあること、最近の米国等の報告では神経管閉鎖障害の発症リスク低減に関しては、食事からの摂取に加え0.4mgの栄養補助食品からの葉酸摂取が勧告されていること等の理由から、当面、食品からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクが集団としてみた場合に低減することが期待できる旨情報提供を行うこと。

 

長い上に役人の作った文章ですからわかりにくいことこの上ないと思います。

 

わかりやすく言い換えると

 

食事からでも0.4mgの葉酸は摂れるけど、

 

  • 食事由来の葉酸(ポリグルタミン酸葉酸)では利用効率があいまい
  • 人によっては食事からだけだと難しい
  • アメリカの場合は食事プラス栄養補助食品での葉酸摂取を勧告してる

 

から、当面は食事での葉酸(ポリグルタミン酸葉酸)摂取に加えて、栄養補助食品から0.4mgの葉酸(モノグルタミン酸葉酸)を摂取してね。

 

となります。

 

また別の箇所ではこう述べています。

 

妊娠を計画している女性に関しては、葉酸の摂取が神経管閉鎖障害の発症リスクの低減に効果があることを示している疫学研究の全てにおいていわゆる栄養補助食品が使用されていること、食品中の葉酸(folate)についても理論的には効果があると推定されるが現時点では証拠が得られていないこと、諸外国がいわゆる栄養補助食品を利用している状況なども考慮し、日本でも既に販売されているいわゆる栄養補助食品の活用についても説明する必要がある。

 

これもわかりやすく言い変えると

 

  • 効果があるとわかった研究では栄養補助食品が使われている
  • 食品中の葉酸(folate=ポリグルタミン酸葉酸)では今のところ証拠がない
  • 外国では栄養補助食品の利用を勧めている

 

から、日本でも栄養補助食品を活用するよう説明してね。

 

ということになります。

 

厚労省が妊娠初期に推奨するのはモノグルタミン酸葉酸

 

以上の二つの記述から、厚生労働省が何を言いたいのかがわかりますよね。

 

すなわち、厚生労働省は「神経管閉鎖障害のリスク低減のため」に、プラス0.4mg摂取する葉酸は、ポリグルタミン酸葉酸ではなく「モノグルタミン酸葉酸を推奨」しているのです。

 

食品からの葉酸とサプリメントでの葉酸を両方摂取する

こう表現すると勘違いする人がいるのですが、厚労省はけっして食事性葉酸(ポリグルタミン酸葉酸)は摂らなくいい、とは言ってません。

 

通知内でも、「妊娠を計画している女性に関しては、(中略)葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスがとれた食事が必要であること。」とあり、食事からの葉酸も摂るように言っています。

 

ちなみに、「妊娠可能な女性」の、食事性葉酸の推奨摂取量は「0.24mg(240μg)」です(厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)[PDF]」)。

 

つまり、妊娠を希望する女性と妊娠初期の女性は、

 

食事性葉酸(ポリグルタミン酸葉酸)240μg

サプリメントでの葉酸(モノグルタミン酸葉酸)400μg

 

を摂取する必要があるということです。

 

まとめ

以上、厚生労働省の通知を中心に解説してきました。

 

まとめると

 

  • 葉酸にはポリグルタミン酸葉酸とモノグルタミン酸葉酸の2種類がある
  • 厚労省は神経管閉鎖障害のリスク低減のために、400μgの葉酸をサプリメントで摂るように勧めている
  • 食事性葉酸を240μg摂取することも重要

 

となります。

 

なお、神経管閉鎖障害の原因は葉酸不足だけではありません。葉酸を十分とれば100%回避できるというわけではないのです。

 

厚労省の通知内でも「葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスがとれた食事が必要である」と述べています。

 

妊娠中はもちろん、妊活中の方も日ごろから栄養バランスに気を付けて食事生活を送りましょう。

 

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