葉酸が神経管閉鎖障害のリスクを低減する理由

葉酸が神経管閉鎖障害のリスクを低減する理由

椅子に座る妊婦

 

なぜ葉酸が神経管閉鎖障害の予防につながるのでしょうか?

 

この記事では神経管閉鎖障害とは何か、その原因と回避手段としての葉酸摂取について述べていきます。

 

以下を読んでいただくことで、あなたが「何をしなければならないか」がわかるはずです。

 

目次

  1. 神経管閉鎖障害って何?
    1. 2種類の神経管閉鎖障害
    2. 神経管閉鎖障害の原因
  2. なぜ葉酸が神経管閉鎖障害のリスクを低減できるのか
    1. 葉酸は細胞増殖に重要な栄養素
    2. 葉酸サプリによる葉酸摂取は、国が推奨している
  3. まとめ

 

神経管閉鎖障害って何?

神経管閉鎖障害とは、妊娠4~5週目に発祥する可能性のある胎児の先天異常のことです。

 

妊娠初期においては、脳や脊髄などの元になる中枢神経(神経管)が形成されますが、この部分がうまく形成されずに塞がってしまうと脳や脊髄が正常に成長できません。

 

2種類の神経管閉鎖障害

 

神経管の上部で閉鎖障害が起こると「無脳症」となり、下部で障害が起こると「二分脊椎症」となってしまいます。

 

無脳症

神経管から脳が形成されず、成長してもほとんど脳が欠損した状態となります。

 

脳以外の臓器などは成長する場合がほとんどですが、多くが死産となり、たとえ出産できても生後一週間程度しか生きられません。

 

無脳症の発症率は日本では出生数1,000人に対し0.64~0.78%、年間で約800~1,000人発症している計算となります(北海道大学「無能症児をめぐる医学的・倫理的・社会的・法的諸問題[PDF]」平塚志保、1998-10-30)。

 

二分脊椎症

脊髄や脊柱が正常に形成されず、脊髄が脊椎から外に出て損傷するため、様々な神経障害を起こしてしまいます。

 

発生部位から下の運動機能、知覚、内臓機能に大きく影響し、下肢障害や排泄障害など、障害が多岐にわたるのが特徴です。

 

日本での発症頻度は、日本産婦人科医会・外表奇形等統計調査の報告によれば、2007年の患児発生頻度は分娩 10,000件あたり4.8であり、その年の出生数は約400名と推測されています(【参考】難病情報センター二分脊椎症(平成23年度)より)。

 

神経管閉鎖障害の原因

神経管閉鎖障害の原因として考えられているのは

神経管閉鎖障害の原因

  1. 遺伝
  2. 妊娠中の生活・環境
  3. 葉酸不足

の3つです。

 

遺伝

遺伝子要因により神経管閉鎖障害が起こる可能性がありますが、現在の医学でも詳細を解明できていません。

 

妊娠中の生活・環境

妊婦さんの糖尿病や肥満、てんかん薬の服用、妊娠初期の高熱発作、喫煙、ビタミンAの過剰摂取などは神経管閉鎖障害のリスクを高めてしまいます。

 

葉酸不足

栄養学的因子として、葉酸の摂取量不足が指摘されています。

 

妊娠前から葉酸サプリを充分摂取すれば、発生リスクを70~80%低下させることができることが明らかになっています(【参考】難病情報センター二分脊椎症(平成23年度)より)。

 

なぜ葉酸が神経管閉鎖障害のリスクを低減できるのか

ではなぜ葉酸は神経管閉鎖障害の予防に有効なのでしょうか?

 

葉酸は細胞増殖に重要な栄養素

葉酸はDNAを合成するのに重要な役割を担っており、細胞を新しく生成するのには不可欠なビタミンです。

 

妊娠初期に、母体にこの葉酸が不足していると、赤ちゃんの細胞がうまく生成されず、神経管が形成されない危険が高まるというわけです。

 

もちろん、上述したように神経管閉鎖障害の原因は葉酸不足だけではありませんので、葉酸を充分摂取すれば100%発症しない、というわけではありません。

 

しかし、遺伝や他の疾患による発症は本人の努力ではどうにもなりませんが、葉酸不足は本人の意志と行動によりリスクを低下させることができるのです。

 

つまり、赤ちゃんの病気のリスクを少しでも抑えられるのは、あなたしかいないのです。

 

葉酸サプリによる葉酸摂取は、国が推奨している

欧米では早くから補助食品による葉酸摂取を妊婦に推奨していましたが、日本でも2000年に厚生労働省から推奨されるようになりました(妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取の係る適切な情報提供の推進について)。

 

また2002年には母子手帳にも記載されるようになっています。

 

この推奨は、妊婦だけでなく「妊娠が可能な年齢の女性」あるいは「妊娠を計画している女性」に対してなされていますが、まだまだ国民全体に認識されているとは言えないのが現状です。

 

また、食品からの葉酸ではなく、サプリメントでの葉酸がリスク低減に効果があると理解している人も少なく、正確な情報の啓発が期待されています(【参考】)第61巻日本公衛誌第7号「妊婦における神経管閉鎖障害リスク低減のための folic acid 摂取行動に関するインターネット調査」

 

まとめ

神経管閉鎖障害と葉酸の必要性について述べてきました。

 

まとめますと

 

  • 神経管閉鎖障害は脳や脊髄がうまく形成されないことで発症する
  • 葉酸は細胞増殖に不可欠な栄養素なので、これが不足すると脳や脊髄が作れない
  • 国はリスク低減のため、栄養補助食品による葉酸摂取を推奨している

 

となります。

 

繰り返しになりますが、あなたの行動によってリスクを低減できるのは、葉酸不足を回避することだけです。

 

しかしこのサイトを訪れたあなたなら、きっと葉酸サプリの重要性を理解し、健康な赤ちゃんのために行動してくださると信じております。

 

 

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