葉酸の過剰摂取による弊害は?

葉酸の過剰摂取による弊害は?

過剰摂取の心配は?

 

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」

 

良いとされることでも、やり過ぎてしまえば足りないことと同じくらい良くないこと、という意味の論語のことわざですが、これは体に必要とされる食品や栄養素についてもあてはまる言葉です。

 

水や塩など、人間には必要不可欠なものでも、致死量があります。

 

妊娠前や妊娠中に摂ったほうが良いとされるものにも、過剰摂取すると逆に健康被害のリスクが高まるものもたくさんあります。

 

葉酸サプリを摂取すべき方も、葉酸の過剰摂取の可能性やその弊害について不安があることと思いますので、当記事では葉酸の過剰摂取について解説していきます。

 

目次

  1. 体に溜まりにくい葉酸
    1. 体外に排出されやすい
    2. 体内に吸収されにくい
  2. 健康食品からの葉酸摂取には注意が必要
    1. 過剰摂取した場合の副作用・葉酸過敏症
    2. 過剰摂取による弊害
  3. 葉酸過剰摂取の心配はほどほどに
    1. 葉酸の食事摂取基準の数字
  4. まとめ

体に溜まりにくい葉酸

基本的に葉酸は、体に溜まりにくいので、過剰摂取をあまり心配しなくてもよい栄養素です。

 

なぜ溜まりにくいかというと、以下のような2つの性質があるからです。

 

体外に排出されやすい

ビタミンには、脂に溶けやすい脂溶性ビタミンと水に溶けやすい水溶性ビタミンがあり、前者は体に蓄積されやすく、後者は体に溜まりにくいと言われています。

 

ビタミンB群の一つである葉酸は水溶性ビタミンで、余分に摂ったとしても、水に溶けて尿として体外に排出されます。

 

体内に吸収されにくい

天然葉酸(ポリグルタミン酸葉酸)の体内利用効率は約50%で、口から入れたものの半分くらいしか体に吸収されません。

 

ですのでもともと体内で余分が出にくく、さらに余分が出ても尿として排出されるので、葉酸を過剰に摂取する機会もほとんどないということです。

 

健康食品からの葉酸摂取には注意が必要

ただし、これらは食品から摂取する天然葉酸(ポリグルタミン酸葉酸)の話であり、人工的に合成された葉酸(モノグルタミン酸葉酸)には少し注意が必要です。

 

水溶性ビタミンであることには違いがありませんが、合成葉酸は体内吸収率が85%と高く、天然葉酸よりは体に溜まりやすくなります。

 

また、葉酸の食事摂取基準は1日1,000μgまでとされていますが、これは天然葉酸ではなく、合成葉酸であるモノグルタミン酸葉酸の摂取量です。

 

この数字は、葉酸サプリなら容易く超えてしまいます。

 

用量を守っていれば問題はありませんが、もし過剰摂取した場合はどうなるのでしょうか。

 

合成葉酸の過剰摂取による副作用と弊害について説明しておきます。

 

過剰摂取した場合の副作用・葉酸過敏症

大量(1,000μg~10,000μg)の葉酸を摂取すると、葉酸過敏症になる可能性があります。

 

症状としては、

 

  • 発熱
  • 蕁麻疹
  • 紅斑(皮膚が赤くなる)
  • かゆみ
  • 呼吸障害

 

などがあります。

 

【参考】国立健康・栄養研究所-「健康食品」の安全性・有効性情報「葉酸」

 

過剰摂取による弊害

また、過剰摂取した場合のリスクとしては、次のものがあります。

 

  • 亜鉛の吸収を阻害
  • ビタミンB12欠乏症の診断が困難になる
  • 妊娠後期の過剰摂取は赤ちゃんが喘息になる可能性が高まる

 

亜鉛の吸収を阻害

亜鉛が吸収されにくくなり、亜鉛不足になると、貧血、味覚障害、皮膚炎、性機能の低下などのリスクがあります。

 

ビタミンB12欠乏症の診断が困難に

ビタミンB12欠乏症は血清葉酸が増加します。

 

葉酸を過剰に摂取すると、ビタミンB12欠乏症によって血清葉酸が増加しているのかどうか判断しにくくなります。

 

ビタミンB12欠乏症とは

 

ビタミンB12が不足すると、造血作用がうまくいかず、悪性貧血の原因となります。
悪性貧血は葉酸不足によっても起こるので、診断の際はどちらが不足しているのかを見極める必要があります。

 

妊娠後期の過剰摂取は赤ちゃんの喘息リスクが高まる

妊娠後期(30~34週)の女性が健康食品による葉酸を過剰に摂取すると、生まれてくる子の小児喘息のリスクが26%高くなった、という研究結果がオーストラリアで報告されています。

 

葉酸過剰摂取の心配はほどほどに

葉酸の過剰摂取による弊害については上に記した通りですが、じつはあまり心配する必要はありません。

 

食品由来の葉酸はまず過剰摂取になる可能性がそもそも低いですし、葉酸サプリも用量を守っていれば上限値は超えません。

 

葉酸の食事摂取基準の数字

「でも、葉酸は食品からもサプリからも両方推奨されているから、両方合わせれば上限値を超えやすいんじゃないの?」

 

こう思われる方も中にはいるでしょう。

 

でもこれも杞憂です。

 

厚生労働省の食事摂取基準に記載されている数字は、少々ややこしく、成人男女の「推奨量」は食事由来のポリグルタミン酸葉酸の数字で、妊娠を希望する女性への推奨量および許容上限値は合成葉酸であるモノグルタミン酸葉酸の数字だからです。

 

どういうことかというと、ポリグルタミン酸葉酸とモノグルタミン酸葉酸は吸収率が違います。

 

たとえば、成人女性の推奨量240μgはポリグルタミン酸葉酸ですから、体に吸収される量はその50%、120μgということになります。

 

これに対し、妊娠前にプラスすることが推奨される400μgはモノグルタミン酸葉酸ですから、その85%、340μgということになり、これを合わせれば460μg。

 

上限値の約半分です。

 

かりに、モノグルタミン酸葉酸を間違えて2倍摂取してしまっても800μgで、1日間違えたからといってどうこうなる数字ではありません。

 

だからといって適当な量を飲んでいい、ということにはなりませんが間違えて飲んでしまっても過剰に心配することはない、ということです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

妊活女性や妊婦にとって、食べるものの弊害は心配の種ですが、葉酸に関しては過剰に心配する必要はない、ということが理解していただけたかと思います。

 

ポイントは、

 

  • 食品由来ではほぼノーリスク
  • 葉酸サプリは用量を守り、ちょっと間違えたくらいでも気にしない

 

の2点です。

 

もし心配するならば、葉酸サプリに含まれる、葉酸以外の栄養素や添加物を気に掛けるほうがよいでしょう。

 

葉酸サプリの副作用について

 

これらを参考に葉酸サプリを選ぶようにしてください。

 

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