妊活中のアラサー女子に知っておいてほしい、高齢出産のリスク

妊活中のアラサー女子に知っておいてほしい、高齢出産のリスク

妊婦さん

 

妊活中のアラサー女子のみなさんは、高齢妊娠または高齢出産のリスクをどれくらい把握しておられるでしょうか?

 

「なんとなく増えてきてるから大丈夫なんじゃないの?」とか思っているなら、すぐに以下の記事を読んでいただきたいです。

 

現実の数字を知ることで、あなたの妊活に対する本気具合が変わるはずです。

 

目次

  1. 高齢妊娠・高齢出産とは
    1. 高齢妊娠・高齢出産は年々増加中
  2. 高齢妊娠・高齢出産のリスク
    1. 妊娠率の低下
    2. 妊娠合併症などの妊婦の病気のリスク
    3. 先天異常児出生率の増加
    4. 流産・早産の確率が上がる
  3. リスクを把握して妊活に
  4. まとめ

 

高齢妊娠・高齢出産とは

高齢妊娠、または高齢出産とは、医学的には35歳以上での妊娠・出産を指します。

 

以前は「30歳以上」としていましたが、近年の晩婚化、妊娠・出産の高年齢化がすすみ、30代前半での妊娠出産の割合が増えてきたためです。

 

高齢妊娠・高齢出産は年々増加中

35歳以上の女性でも、最近はたまにある有名人の出産報道などの影響でしょうか、あまり珍しいことでは無いような感じがしますが、実際統計上も増加傾向にあるようです。

 

厚生労働省出産年齢データ

厚生労働省平成27年人口動態統計(確定数)の概況(第4表)より抜粋

 

昭和60年(1985年)の20代女性の出生数は合計約93万人ですが、平成27年(2015年)では約1/3の34万人。それに対し35歳以上は10万人から28万人と約3倍に増えています。

 

30~34歳では約38万人→約36万人と微減していますが、全体の出生数が減っているので、割合としては20代よりも増加しています。

 

高齢妊娠・高齢出産のリスク

高齢での妊娠・出産が増加した背景には、女性の社会進出とそれによる晩婚化に加え、医療の進歩があるのも見逃せません。

 

本来なら出産できなかった人でも体外受精などで子供を授かることが可能になりました。

 

しかし、だからと言って子供は年を取ってから産んでも大丈夫、とは思わないでください。

 

以下に詳しく述べますが、20代よりも30代の方のほうがリスクが高いのは厳然たる事実です。

 

これは高齢出産はいけないと言っているのではありません。

 

もしもあなたが35歳未満ならば、そしていつか子供が欲しいと思っているのであれば、できるだけ早いほうが良い、と言っているだけです。

 

妊娠率の低下

年齢 自然妊娠率

~30

25~30%

35

18%

40

5%

45

1%

 

この数字は「年齢別 妊娠率」で検索した場合にどのサイトを見ても掲載されているものですが、大元は「Time to pregnancy: results of the German prospective study and impact on the management of infertility」Hum Reprod (2003) 18 (9): 1959-1966(「妊娠までの時間:ドイツの前向き研究の結果と不妊治療への影響」)というドイツの論文のようです。

 

これだけ見ると、30歳までとそれ以降では随分と差があり、40歳では妊娠の確率がものすごく低いように感じます。

 

しかしながらこの数字は、1回の月経周期ごとの確率です。つまり、月に1回の排卵日にセックスをした場合に妊娠をする確率です。

 

ではこれが1年間のトータルで見た場合はどうでしょうか?

 

たとえば35歳の妊娠確率18%で計算する場合、妊娠しない確率は100-18で82%です。

 

これが12回繰り返されるので、1年間妊娠しない確率は0.82の12乗で0.092、つまり9.2%。

 

ですので妊娠する確率は100-9.2=90.8%ということになります。

 

以下は他の年齢で同様の式を当てはめた数字です。

 

年齢 自然妊娠率

~30

96.8~98.6%

35

90.8%

40

46%

45

11.4%

 

こうして見ると、先ほどの数字よりずいぶんと確率が上り、35歳でも9割、40歳でも50%近い数字ですので、1年頑張ればそこそこチャンスはありそうに思えます。

 

しかし45歳となるとさすがに厳しそうな数字ですので、「妊娠すること」だけを考えた場合は40歳くらいまでを目標にしてもよさそうに思えます。

 

妊娠合併症などの妊婦の病気のリスク

しかし、かりに高齢で妊娠できたとしても、婦人科系疾患を有していたり、妊婦さん特有の疾病に罹る確率も、若い人に比べて高くなってしまいます。

 

婦人科系疾患では、子宮筋腫子宮内膜症が上げられます。

 

これらはもともと珍しい病気ではなく、成人女性ならある程度の割合で罹患しますが、年齢が上がるにつれ罹患率も高まります。

 

また妊娠中の合併症として注意しなければならないのが、妊娠高血圧症です。

 

妊娠高血圧症って?その原因、症状、治療法とは?

 

これは妊娠20週以降高血圧となり尿蛋白が見られる場合に診断される病気で、以前はこの症状に浮腫(むくみ)を加えて妊娠中毒症とも呼ばれていました。

 

妊娠高血圧症は、切迫早産胎児の発育不全の原因になり、重症化した場合はけいれん発作を起こし、母体、胎児とも死亡することもあります。

 

切迫早産とは

 

早産になりかかっている状態、つまり早産の一歩手前の状態を切迫早産といいます。子宮収縮が頻回におこり、子宮の出口(子宮口)が開き、赤ちゃんが出てきそうな状態や破水をしてしまった状態のことです。

日本産科婦人科学会より

 

妊娠高血圧症データ1

厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書-参考資料3より引用

 

上のデータは年齢別の妊娠高血圧症の発症頻度です(タップで拡大します)。33歳以降から頻度が上りはじめ、40歳あたりから急激に頻度が上昇します。

 

妊娠高血圧症データ2

厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書-参考資料3より引用

 

こちらは30歳を「1」としたときの相対的なリスクの値です。40歳では1.7倍、43歳から2倍を超えます。

 

このように、たとえ40歳で妊娠できたとしても、妊娠高血圧症に罹るリスク、つまりあなたや赤ちゃんが危険にさらされるリスクは30歳時と比べてもかなり上がってしまう、ということです。

 

先天異常児出生率の増加

次は、生まれてくる赤ちゃんの先天異常、染色体異常に関してです。

 

母親が高齢になるにつれて、胎児の先天異常の確率が上がるとされていますが、こちらのデータはどのような数字なのでしょうか。

 

年齢 染色体異常 ダウン症

20

1/526

1/1667

25

1/476

1/1250

30

1/384

1/952

35

1/192

1/385

40

1/66

1/106

45

1/21

1/30

厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書-参考資料3より引用 一部改変

 

ダウン症などの染色体異常の主な原因は、精子と卵子の質にあると言われています。

 

若くて健康な男女間であっても、ある程度の確率で染色体異常は発生してしまいます。

 

しかし、いくら健康を保っていても、年齢とともに卵子の質は必ず、落ちていきます。

 

卵子は体内で新たに作り出すことはできず、女性は生きている間卵子の数は減り続けているからです。

 

意外と知らない妊娠のメカニズム

 

実際に染色体異常の確率は30歳→35歳でちょうど2倍、ダウン症の確率は約2.5倍にも上っています。

 

流産・早産の確率が上がる

最後は流産のリスクについてです。

 

年齢別自然流産率データ

厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書-参考資料3より引用

 

流産の主な原因が染色体異常ですので、当然流産の確率も年齢を重ねるごとに上がってしまいます。

 

こちらもやはり35歳あたりから確率がグンと上っていますね。

 

その他の高齢による流産の原因としては「前置胎盤(ぜんちたいばん)」があります。

 

前置胎盤とは、本来子宮の奥に形成されるはずの胎盤が子宮の入り口に形成され、フタをしてしまっている状態のことをいいます。

 

子宮の入り口は赤ちゃんが出てくるところですから、ここがふさがれているため、ほぼ100%帝王切開での出産となります。

 

年齢別前置胎盤発症データ

厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書-参考資料3より引用

 

こちらも加齢とともに増加傾向にあることがわかると思います。

 

前置胎盤の原因には様々ありますが、前述の妊娠高血圧症も密接に関係していると言われています。

 

リスクを把握して妊活に

ここまでの説明で、記事の冒頭で述べた、20代よりも30代のほうがリスクが高いという「厳然たる事実」の一端がわかっていただけたかと思います。

 

あなたは今何歳ですか?

 

もしもいわゆる「アラサー」と呼ばれる年齢ならば、このリスクを把握して妊活に臨むべきです。

 

またパートナーともこのリスクを共有しましょう。

 

不妊の原因は女性だけではなく男性にもその可能性が十分にあります。

 

知っておくべき「男性の妊活」とその取り組むべき理由

 

もちろん、高齢出産にもメリットはあります。

 

経済的に余裕をもつことで子どもの養育費等の心配が比較的少なくなるでしょう。

 

しかしそのメリットと、高齢出産によるデメリットを比較するには正しい知識が必要です。

 

なんとなく高齢出産する人が増えてきているから私も大丈夫だろう、という安易な気持ちで妊活するのと、当記事で説明してきたような、加齢による様々なリスクが存在することをわかったうえで妊活するのでは、結果に違いが出て当然のことです。

 

現実問題として、もしも不妊治療を行うようになれば、それなりの経済的負担も発生します。

 

しかも、治療をすれば必ず妊娠・出産ができるというものでもありません。

 

不妊治療においてもその成功率は年齢に多分に左右されます。さらに2016年度からは不妊治療の助成金給付には42歳までという制限も付加されました。

 

この不妊治療を始めるかどうかを決めるのにも、妊活を始めるのが遅ければそれだけ判断する時期も遅くなってしまいます。

 

まとめ

40代で妊娠する方は現実に増えてきており、無事出産をし幸せな家庭を築けている方はたくさんおられます。

 

しかしいっぽうで、残念ながらそうはならなかった方も多数おられるわけです。

 

そしてその中には、もっと早くに高齢出産のリスクを知っておいたら、と感じている方も大勢おられるでしょう。

 

時間は戻せません。

 

今、できるなら、やるべきです。

 

目の前にあるリスクをしっかり見つめた上で、妊活に取り組んでいただきたいと思います。

 

関連ページ一覧

リラックスした女性のサムネイル

妊活を始める前に知っておくべきこと妊活は、シャカリキに頑張るものではありません。むしろ、頑張らないでください。これは妊活...

ベッドに寝る赤ちゃんとママのサムネイル

妊活中から葉酸を摂るべき3つの理由妊婦さんだけでなく、妊娠を希望する女性にとって、葉酸は大事なビタミンです。めっちゃ大事...

妊活女子の取るべき栄養素サムネイル

知って得する妊活女子が摂るべき栄養素とは?「妊活女性にとって食生活は大事」とよく言われますが、じっさいにどのような栄養を...

不妊治療サムネイル

妊活女性が不妊治療を受ける前に知っておいてほしいこと「不妊」とは、日本産婦人科学会では「妊娠を望む健康な男女が避妊をしな...

子を授かる女神のサムネイル

意外と知らない妊娠のメカニズムあなたは妊娠の仕組みを人に説明することができますか?日本の義務教育では「保健・体育」で妊娠...

夫婦のサムネイル

「葉酸サプリは夫婦で飲むべき」はウソ?ホント?葉酸サプリの販売サイトを見ると「夫婦で葉酸サプリを摂りましょう」と煽られま...

妊娠力アップのサムネイル

妊娠力を高める食べ物とは?7つのおすすめ食材2016年11月、厚生労働省は前年に実施した「国民健康・栄養調査」の結果を発...

男性の妊活のサムネイル

知っておくべき「男性の妊活」とその取り組むべき理由「妊活」という言葉をよく耳にするようになりましたが、「男性の妊活」とな...

基礎体温表のサムネイル

基礎体温表は妊活最強ツール妊活をするうえで、「基礎体温表」は必要不可欠、かつ妊活最強ツールです。お医者さんに行かずとも自...

ピニトールが不妊を改善?のサムネイル

ピニトールが不妊を改善?妊活成分と呼ばれる理由とは葉酸サプリにはいろいろな栄養素が配合されることが多いですが、その栄養素...

妊活女子と免疫力のサムネイル

妊活女子は免疫力の低下に要注意!当たり前の話ですが、妊娠を希望する女性は健康でなければなりません。そしてその健康を維持す...

妊婦さんのサムネイル

妊活中のアラサー女子に知っておいてほしい、高齢出産のリスク妊活中のアラサー女子のみなさんは、高齢妊娠または高齢出産のリス...

妊娠高血圧症候群のサムネイル

妊娠高血圧症候群とは妊娠によって起きる病気の一つが妊娠高血圧症候群です。特に40代以上での妊娠でリスク確率が上がるこの病...

子癇のサムネイル画像

子癇(しかん)って何?原因や症状、危険性について妊娠中に注意したい病気の一つが「子癇(しかん)」です。けいれん発作を起こ...

HELLP(ヘルプ)症候群のサムネイル

HELLP(ヘルプ)症候群とは妊婦さんに特有の病気のひとつに「HELLP(ヘルプ)症候群」があります。妊活中の女性にはあ...

常位胎盤早期剥離記事のサムネイル画像

常位胎盤早期剥離とは妊婦特有の疾患で母子ともに危険な状態になる可能性のあるものの一つがこの常位胎盤早期剥離です。名称から...

播種性血管内凝固症候群のサムネイル画像

播種性血管内凝固症候群(DIC)って何?播種性血管内凝固症候群は、妊婦特有の疾患というわけではありませんが、常位胎盤早期...

このエントリーをはてなブックマークに追加