子癇について

子癇(しかん)って何?原因や症状、危険性について

病院

 

妊娠中に注意したい病気の一つが「子癇(しかん)」です。

 

けいれん発作を起こしますが、妊婦の起こすけいれん発作がすべて子癇というわけでもありません。

 

母体、胎児とも危険な状態になりうるこの子癇はいったいどういった病気なのでしょうか?

 

目次

  1. 子癇とは
  2. 子癇の原因
  3. 子癇の症状
    1. 子癇の前兆
    2. 誘導期
    3. 強直性けいれん期
    4. 間代性けいれん期
    5. 昏睡期
  4. 子癇の危険性
  5. 子癇の治療法と予防法
  6. まとめ

 

子癇とは

子癇とは、妊娠高血圧症候群の妊婦が発症するけいれん発作や意識消失のことです。

 

妊娠高血圧症って?その原因、症状、治療法とは?

 

妊娠20週以降に初めて起こり、かつ癲癇(てんかん)などの症状が否定されたけいれん発作を起こしたときに子癇と診断され、日本での発症頻度は約0.04%です(日本産科婦人科学会「産婦人科ガイドライン-産科編2014」[pdf])。

 

また発症の時期により「妊娠子癇」「分娩子癇」「産褥子癇」の3つに分けられますが、それぞれの発症頻度は

 

  • 妊娠子癇→17%
  • 分娩子癇→40%
  • 産褥子癇→43%

 

となっています。

 

子癇の原因

子癇の起こる原因や仕組みは明確には判明していませんが、危険因子として以下のものが考えられています。

 

妊娠高血圧症候群の危険因子

  • 初産婦
  • 10代での妊娠
  • 子癇の既往歴のある妊婦
  • 妊娠高血圧症候群
  • HELLP(ヘルプ)症候群
  • 妊娠蛋白尿
  • 双胎(ふたご)

 

初産婦は経産婦に比べて6~9倍、子癇になりやすく、また10代での妊娠では、発症頻度が他の年代に比べて3倍、妊娠高血圧症候群を発症している10代では1/28の確率で子癇を合併していた、というデータもあります。

 

子癇の症状

子癇のけいれん発作の症状は、以下のような流れで発症します。

 

子癇の前兆

子癇の前駆症状として

 

  • 頭痛
  • 視覚異常(かすんで見えるなど)
  • 上腹部痛

 

などがあります。

 

ただし、子癇発症の38%はこれらの前駆症状がなかったという報告があるため、前触れ無く、いきなりけいれん発作を起こす場合もあるようです。

 

誘導期

失神、顔面蒼白、顔面けいれん、視線が上を向く眼球上転などが起こります。

 

口元からけいれんが始まり、数秒から数十秒続きます。

 

強直性けいれん期

全身の筋肉がこわばり、細かくけいれんします。

 

体は弓なりになって呼吸が停止します。約10秒~20秒くらい続きます。

 

間代性けいれん期

全身の筋肉が収縮と弛緩(しかん)を繰り返しながら、けいれんが1~2分続きます。

 

顔や指先が青白くなるチアノーゼや瞳孔拡大などを伴います。

 

昏睡期

けいれんが収まり昏睡状態になると呼吸が回復し、いびきのような呼吸になります。

 

昏睡状態が長く続き、意識が戻らず再びけいれん発作を繰り返す場合は死亡にいたることもあります。

 

意識が戻った場合でも、胎児が機能不全に陥る可能性があります。

 

子癇の危険性

子癇が怖いのは、前駆症状がない場合も多いことです。

 

そのため妊娠高血圧症候群の妊婦さんは、常に注意しておかなければなりません。

 

また、子癇は重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

 

具体的には「DIC(播種性血管内血液凝固(はしゅせいけっかんないけつえきぎょうこ)症候群)」や「腎不全」「肺水腫」などで、とくに「脳内出血」では死亡にいたることもあるので、予後の診断が重要です。

 

胎児については、妊娠36週を過ぎていれば帝王切開で分娩されることが一般的です。

 

子癇の治療法と予防法

けいれん発作を発症したら、交感神経を刺激しないよう部屋を暗くし安静にさせます。

 

けいれんを抑えるための薬剤を投与し、昏睡期にはけいれんの再発防止用の薬剤が投与されます。

 

また、子癇発症後は胎児が危険な状態に陥る恐れがあるので、妊娠36週以降、または母体の容態や胎児の状態によっては帝王切開が行われます。

 

予防法は残念ながら確立されておらず、子癇を発症する疑いがある場合、すなわち妊娠高血圧症候群と診断された場合などは、担当医と相談し、処方された薬などは必ず飲むようにしましょう。

 

【参考サイト】

 

関連ページ一覧

リラックスした女性のサムネイル

妊活を始める前に知っておくべきこと妊活は、シャカリキに頑張るものではありません。むしろ、頑張らないでください。これは妊活...

ベッドに寝る赤ちゃんとママのサムネイル

妊活中から葉酸を摂るべき3つの理由妊婦さんだけでなく、妊娠を希望する女性にとって、葉酸は大事なビタミンです。めっちゃ大事...

妊活女子の取るべき栄養素サムネイル

知って得する妊活女子が摂るべき栄養素とは?「妊活女性にとって食生活は大事」とよく言われますが、じっさいにどのような栄養を...

不妊治療サムネイル

妊活女性が不妊治療を受ける前に知っておいてほしいこと「不妊」とは、日本産婦人科学会では「妊娠を望む健康な男女が避妊をしな...

子を授かる女神のサムネイル

意外と知らない妊娠のメカニズムあなたは妊娠の仕組みを人に説明することができますか?日本の義務教育では「保健・体育」で妊娠...

夫婦のサムネイル

「葉酸サプリは夫婦で飲むべき」はウソ?ホント?葉酸サプリの販売サイトを見ると「夫婦で葉酸サプリを摂りましょう」と煽られま...

妊娠力アップのサムネイル

妊娠力を高める食べ物とは?7つのおすすめ食材2016年11月、厚生労働省は前年に実施した「国民健康・栄養調査」の結果を発...

男性の妊活のサムネイル

知っておくべき「男性の妊活」とその取り組むべき理由「妊活」という言葉をよく耳にするようになりましたが、「男性の妊活」とな...

基礎体温表のサムネイル

基礎体温表は妊活最強ツール妊活をするうえで、「基礎体温表」は必要不可欠、かつ妊活最強ツールです。お医者さんに行かずとも自...

ピニトールが不妊を改善?のサムネイル

ピニトールが不妊を改善?妊活成分と呼ばれる理由とは葉酸サプリにはいろいろな栄養素が配合されることが多いですが、その栄養素...

妊活女子と免疫力のサムネイル

妊活女子は免疫力の低下に要注意!当たり前の話ですが、妊娠を希望する女性は健康でなければなりません。そしてその健康を維持す...

妊婦さんのサムネイル

妊活中のアラサー女子に知っておいてほしい、高齢出産のリスク妊活中のアラサー女子のみなさんは、高齢妊娠または高齢出産のリス...

妊娠高血圧症候群のサムネイル

妊娠高血圧症候群とは妊娠によって起きる病気の一つが妊娠高血圧症候群です。特に40代以上での妊娠でリスク確率が上がるこの病...

子癇のサムネイル画像

子癇(しかん)って何?原因や症状、危険性について妊娠中に注意したい病気の一つが「子癇(しかん)」です。けいれん発作を起こ...

HELLP(ヘルプ)症候群のサムネイル

HELLP(ヘルプ)症候群とは妊婦さんに特有の病気のひとつに「HELLP(ヘルプ)症候群」があります。妊活中の女性にはあ...

常位胎盤早期剥離記事のサムネイル画像

常位胎盤早期剥離とは妊婦特有の疾患で母子ともに危険な状態になる可能性のあるものの一つがこの常位胎盤早期剥離です。名称から...

播種性血管内凝固症候群のサムネイル画像

播種性血管内凝固症候群(DIC)って何?播種性血管内凝固症候群は、妊婦特有の疾患というわけではありませんが、常位胎盤早期...

このエントリーをはてなブックマークに追加